タイ映画(O)
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オクトーバー・ソナタ
(10月のソナタ)
(オクトーバー・ソナタ/ラック・ティー・ロー・コーイ)
< October Sonata >


どこまでもさわやかでせつない純愛物語
[製作国] タイ [原題] รักที่รอคอย
[製作年] 2009年 [日本公開年] 2010年(映画祭)
[監督] ソムキアン・ウィトゥラーニット(キアット)<Somkait Vituranich/สมเกียรติ วิทุรานิช> [出演者] ラッチャウィン・ウォンウィリヤ(コーイ)<Ratchawin Wongwiriya(Koi)/รัชวิน วงศ์วิริยะ(ก้อย)>、ピッサヌ・ニムサクン(ボーイ)<พิษณุ นิ่มสกุล>、タナワット・ワッタナプート(ボップ)<ธนวรรธน์ วรรธนะภูติ>
[ 参考ページ ]   ラッチャウィン・ウォンウィリヤ(コーイ)
[評価] ★★★★
※タイでDVD(英語字幕なし)が発売。
  ラブ・ストーリー。縫製工場の労働者である女性セーンチャン(ラッチャウィン・ウォンウィリヤ)は、大好きであった映画スターが事故死したために悲しみにくれて葬式に参加していた。そんなとき、車で通りかかった青年ラウィー(タナワット・ワッタナプート)と知り合う。そして、帰り道に海辺のあるホテルに泊まろうとするが、部屋が一つしか空いていなかったために仕方なく二人はバンガロー・タイプの部屋で一緒に一夜を過ごすことに。二人は徐々に惹かれ合うが、ラウィーはアメリカへ留学しなければならなかった。そして彼は言う、「毎年10月8日には、必ずこのホテルのこの部屋に戻ってくる」と。それを信じ、再会を心待ちにしていた彼女が翌年ホテルへ行くが彼は来なかった。そんな時、彼女はリム(ピッサヌ・ニムサクン)からプロポーズされ、それを受けてしまう。しかし、彼女は心の中でラウィーを待ち続け、毎年あのホテルのあの部屋へと向かう・・・というストーリー。コメディー的要素の全く入っていない純愛物語。
 この作品は、第19回スパンナホン賞の作品賞、脚本賞、助演男優賞(ピッサヌ・ニムサクン)、衣装デザイン賞を獲得している。ストーリー的には人によって評価が分かれそうな気がするが、スパンナホン賞の作品賞を取ったのは分かる気がする。とにかく、作品がさわやかなのだ。形の上では「不倫」なのだから、考え方によっては共感できない人もいるであろう。それにもかかわらず、さわやかなのだ。このさわやかさは、主演女優のラッチャウィン・ウォンウィリヤによるところも大きい。彼女、スパンナホン賞の主演女優賞にノミネートされたが、「バンコク・トラフィック・ラブ・ストーリー(Bangkok Traffic Love Story)」のクリット・ホーワン(クリス・ホーワン)に負けてしまった。
 少々荒い演出の部分もあるのだが(特に、リムが店の前で赤ちゃんを抱いているシーンは、監督の腕の見せどころだったのだが)、全体としてはよくできている。本来ならドロドロとした愛憎劇になるはずなのだが、どこまでもさわやかに描かれている。主人公の女性からの視点で物語を進行させたのが成功の大きな理由かもしれない。そのために、観客も主人公と同じく、ラウィーはどうしたの?となるのだが。これに、ラウィーからの視点も入れてしまったらおもしろくなくなっていたに違いない。そして、リムからの視点も入れれば、殺し合い?になってしまったかもしれない。スパンナホン賞では4部門も獲得したこの作品だが、興行収入はUS$213,000(興行時のスクリーン数は不明だが)とかなり低い数字となっている。
 主人公であるセーンチャンが大ファンであった映画スターとは、タイ映画史上に残る大スターのミット・チャイパンチャーである。彼はパタヤーでの映画の撮影中、ぶら下がっていたヘリコプターから落下し亡くなってしまった。作品の冒頭で、おそらく実際の彼の遺作の中のヘリコプター・シーンが出てくる。ちなみに、作品中で重要な月日となっている10月8日はミット・チャイパンチャーの命日で、彼が亡くなったのは1970年だ。また、彼女が恋焦がれる青年はある運動に参加しているという設定になっているが、これも実際に起きた事件である。それは1973年の10月、タマサート大学を中心とした学生たちと民衆が民主化を求めて大規模なデモとなり、最後は流血の惨事となってしまった事件(1973年10月14日「血の日曜日事件」)だ。実際に起きた事件も要素として使っているのが、この作品のおもしろいところでもある。
 ソムキアン・ウィトゥラーニット監督は、この作品の脚本も書いている。また、準備には、10年以上の歳月を要したという。彼にとってこの作品は、17年振りの作品で二本目?となる。主演のラッチャウィン・ウォンウィリヤは、「フェーン・マイ(Fan Mai)」<2010年>などに出演している。タイの女優としては珍しく、清楚な感じの人だ。ピッサヌ・ニムサクンは映画初出演。役名の「ラウィー(รวี)」は「太陽」、「セーンチャン(แสงจันทร์)」は「月光」のこと。
 原題は「待ち続ける恋」。日本では、2010年の第20回アジアフォーカス福岡国際映画祭で上映された。

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ポスター

【 October Sonata 】
DVD (タイ版)
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