タイ映画(S)
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メナムの残照
(サン&サンライズ/サンセット・アット・チャオプラヤー/クーカム)
(サンセット&サンライズ/クーカム)
< Sun & Sunrise(Sunset at Chaophraya/Koo Gum) >


ナデート釘宮主演で、「クーカム」5度目の映画化
[製作国] タイ [原題] คู่กรรม
[製作年] 2013年
(4月4日公開)
[日本公開年] 未公開
[監督] キットティコーン・リアオシリクーン<Kittikorn Liewsirikul/กิตติกร เลียวศิริกุล(เรียว)> [出演者] ナデート・クーキミヤ(釘宮)<Nadech Kugimiya/ณเดชน์ คูกิมิยะ>、アラネート・ディカバレート(アマラワディー・ディカバレート/リッチー)<Oranate D. Caballes/อรเณศ ดีคาบาเลส(อมราวดี ดีคาบาเลส/ริชชี่)>、ทัตสึโนบุ ทานิกาว่า、Nitit Warayanon<นิธิศ วารายานนท์>、กุลพงศ์ บุนนาค、เมรีนา มุ่งศิริ、จำเนียร เจริญทรัพย์、Surachai Juntimatorn<สุรชัย จันทิมาธร>、มงคล อุทก、Hiroyuki Kobayashi、Yasuhiko Miyauchi
[ 参考ページ ]   メナムの残照(クーカム)
[評価] ★★
Khu Kam (2013) on IMDb
※タイでDVD(英語字幕なし)が発売
 このドラマは、タイ人なら誰でもが知っているタイトルの作品。女流作家トムヤンティー(ทมยันตี)の小説(1969年)を映画化したもので、過去に7回のTVドラマ化と5回の映画化(2013年4月現在。いずれもアンスマーリンの息子の世代を扱った「クーカム 2」を含む)が行われているほどだ。本作は5度目の映画化作品。本作のメインは、アンスマーリンではなく小堀になっている。
 物語の舞台は、第二次世界大戦下のタイ、バンコク。タイ人の有力者の娘であるアンスマーリン(アラネート・ディカバレート)は、日本軍側に組する父親により日本人将校の小堀(ナデート・クーキミヤ)と無理やり政略結婚をさせられてしまう。しかし、アンスマーリンは、徐々に彼の人柄に惹かれていき・・・というストーリー。
 M-Thirtynine社作品。この作品のトレーラー(予告)を観た時、これはかなりすごそうな作品だと思った人は少なくないであろう。しかし、である。一番問題なのは脚本だ。「クーカム」という物語を描ききれていない。もともと、「クーカム」という作品は中身の濃い作品で、二時間程度の映画では描ききることができないものだ。歴代の映画作品もそうであった。どうしても、時間的に余裕のあるTVドラマの方が完成度が高くなってしまう。だが、そんな中でも過去の映画作品と比べても本作は力不足といえる。
 おそらく、「クーカム」という物語がどういうストーリーなのか知らない人がこの作品を観たら、???となるに違いない。ストーリーの説明不足というか、ストーリー展開に筋が通っていない。また、過去の作品においても内容を微妙に違えてあるのだが、本作にも新解釈のような部分があり、それがどうも・・・。
 トレーラーを観るとものすごい製作費がかかっているように思われるが、本編を観るとトレーラーに出てくる部分がほぼ全てで、それ以外の部分はそれほどすごいというわけではないものになっているのもがっかりだ。
 タイのエンターテイメント・サイトSiam Zoneのユーザー評価では、6.17点(満点は10点。投票数57。2013年4月現在)とかなり酷評されている。大手映画会社製作の大作でここまで低い評価はとても珍しい(通常は、悪くても7点台)。まあ、そこまでひどい作品だとは思わないが、おそらく観客の期待度が大き過ぎてこういう結果になったのではないだろうか?
 小堀役のナデート・クーキミヤも映画初出演のアンスマーリン役アラネート・ディカバレートも悪くなかった。ナデート・クーキミヤは日本人の血が流れているわけではなく、養父が日本人なのだとか。
 第23回スパンナホン賞では、主演男優賞(ナデート・クーキミヤ)と衣装デザイン賞を獲得している。主題歌賞にもノミネートされたが、賞獲得はならなかった。
 キットティコーン・リアオシリクーン監督には、「ザット・サウンズ・グッド(That Sounds Good)」<2010年>、「バスレーン(Buslane)」<2007年>、「ブリット・ワイブズ(The Bullet Wives)」<2005年>、「セイビング・プライベート・トゥッシー(Saving Private Tootsie)」<2002年>などの作品がある。

A
D

【本作についていろいろ】 ※完全ネタバレあり
[ラスト・シーン]
 本作は、最後のバーンコーク・ノーイ駅でのシーンの内容を少し変えてある。普通は爆撃直後にアンスマーリンが駆けつけ、小堀を探し当てて軍医を呼ぶ。しかし、本作では爆撃直後に軍医が小堀を探し当て、もう助からないと悟り無念さを抱きその場を去る。アンスマーリンはかなり時間が経った後に駆け付け、小堀を探し当てる。
 このラスト・シーンなのだが、まず長過ぎる。あれだけ長いと感動が薄れてしまう。また、小堀とアンスマーリンのセリフが多過ぎだ。そのために、瀕死の状態であるはずの小堀は健康な人間のようなスピードで話さなければならない。
 また、この時の小堀の顔は、なぜか煤などで少しも汚れていない。きれいな健康そうな顔なのだ。とても今にも死にそうな人間とは思えない。それに、アンスマーリンが駆けつけるまでどけくらいの時間が経っているかわからないが(本作ではかなり経っているはずなので)、あんな長い時間小堀の息があるはずもない。
 そして、この感動であるはずのラスト・シーンで、観客から涙どころか笑いが出てしまっている。これではダメだ。

[「クーカム」の一番の見どころが崩壊している]
 さて、「クーカム」の一番の見どころといえば、タイ人女性アンスマーリンは結婚を約した恋人がいたにもかかわらず、父親の策略により事実上の占領軍である日本軍将校小堀と政略結婚をさせられてしまう。アンスマーリンは、小堀に対し反発しつつも徐々に愛が芽生え・・・。しかし、アンスマーリンがその愛を自覚した時には、小堀は・・・というアンスマーリンの心の葛藤のはずだ。
 だが、本作では、最初からアンスマーリンは小堀に好意を抱いていたような感じになっている。大きく反発しだしたのは、結婚が決まってからだ。しかも、かなりあっさりと結婚を受け入れてしまっている。

[ストーリーがよく分からない]
 本作の最大の弱点は、ストーリーがよく分からないことだ。「クーカム」のストーリーを知らない人が観たら、どうしてこうなるの?となってしまう。突然、脱走兵がアンスマーリンに家の中に登場してくる。そして、棺桶の中に脱走兵を入れボートで脱出させるのだが、あのボートに積んでいた棺桶の中に脱走兵が入っているという説明が弱いので、ストーリーを知らない人は小堀がボートに乗せられた棺桶をじっと眺めるシーンに何の意味があったのかわからなかったに違いない。
 そして、アンスマーリンの元恋人も唐突に登場してくる。バーンコーク・ノーイ駅で信号弾を打ち上げ、日本軍に見つかってからどうなったのかもわからない。

[悲しいラブ・ストーリーのはずが]
 「クーカム」とは、悲恋物語である。にもかかわらず、本作の冒頭では、この作品はコメディー・タッチの作品なのか?と思わせるほど笑いが起こる。もちろん、過去の作品にコメディー的要素は多分にあった。だが、本作では道化の脇役(たとえばアンスマーリンのおじさん二人)が笑わせているのではなく、小堀とアンスマーリンがまじめな演技をしているのに観客が笑うのだ。特に、酔った小堀が無理やりアンスマーリンの体を求めるシーンでは、大爆笑?が起こった。おそらく、これらは製作者側が意図した笑いではないであろう。劇場内は、すすり泣きどころか笑いが巻き起こっていた。

[アンスマーリンと小堀はなぜ結婚した?]
 アンスマーリンが結婚したのは、父の日本軍将校との結婚要請に泣く泣く応じたのだと思っていたのだが本作ではちょっと違っている。もちろん、父の要請もあった。だが、連合軍の爆撃があった時、小堀がアンスマーリンをかばい二人が抱き合った状態で救出されたので、二人がそのような行為をしていたと村人に疑われたことが結婚に至った大きな原因ともなっている。原作ではどうなっているのかは分からないが、とても笑える内容だ。
 1990年のTVドラマにも似たような部分があるので、原作ではそのようになっているのかもしれない。

[「日没」だから「日出子」?]
 作中に、こんなせりふのやりとりがある。
小堀「アンスマーリンとはどういう意味ですか?」
アンスマーリンの母「プラアーティット(太陽)という意味です」
小堀「?」
アンスマーリンの母「(太陽を指差し)ほらあれです」
小堀「Sunsetですね。じゃあ、日出子さんです」
「Sunset(日没)」がどうして「日出子」になるの?この部分はトレーラーでも使われているが、トレーラーには「Sunset」の部分は割愛されている。
 1990年のTVドラマでは太陽という意味であることを聞いて、小堀が軍医に「陽子」がいいか「日出子」がいいか聞き、軍医が「日出子」がいいと言うのでそういうことに決めている。

[小堀は将校のはず]
 小堀は将校(海軍大尉)のはずである。ということは、襟賞は桜(陸軍は星)が三つのはず。二つではない。本作では、二つだったり三つだったり。タイ映画なので星でも桜でもいいと思うのだが、数が違うのはまずい。たぶん、同じ衣装で通すことができず、適当に衣装を変えたのであろう。
 小堀がアンスマーリンとケンカをし基地の宿舎に泊まるシーンがあるが、それは大部屋だ。将校の寝所は、大部屋の兵舎ではないだろう。

[小堀と軍医、どっちが上官?]
 原作では、軍医の階級がどうなっているのかを知らない。しかし、本作では小堀より軍医の方が上官であるかのようなシーンが多い。口のきき方にしても、軍医の方が上であるかのような場合が多い。また、二人乗りのサイド・カーを運転しているのは小堀で、脇に座っているのは軍医だ。上官が運転するというのは変だ。まあ、二人は友人関係にあるので、それでということか?

[敬礼シーンはただ一度だけ]
 本作の中で、軍人同士は敬礼ではなく礼(お辞儀)をしている。たった一度だけ、ラストの軍医が小堀に別れを告げるシーンでのみ敬礼をしている。上官が、部下に対して礼をするというのはかなり変だ。「日本=お辞儀」というイメージからこのような演出になったのであろうが。

[年齢制限が付いていない]
 タイでは日本よりもかなり厳しい年齢制限が付く。性的な表現だけでなく、銃や暴力シーンなどに対してもかなり厳しい。これらのシーンがあるとすぐに「15歳超視聴可」という制限(「12歳超視聴可」という制限もある)が付いてしまうのだが、本作にはその制限が全く付いていない。
 それもそのはずで、日本軍による暴力シーンがまったく出て来ない。銃を突きつけるシーンもなし。唯一あるのは、アンスマーリンのバナナ畑?で日本軍兵士が騒ぐシーンのみ。

ポスター

【 Sunset at Chaophraya 】
DVD (タイ版)
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【おっと、東京国際映画祭で上映の「メナムの残照」は20分短縮版だ】 ※ネタバレあり
 今回、東京国際映画祭で上映された「メナムの残照」を観ていて思ったのです。何かおかしくないか?冒頭の「造船所」のシーンが、あまりにもあっさりしていないか?バナナ園のシーンもこんなに短かったか(後で確認したら、Trailerに出てくるシーンがまるごとありません)?二人が結婚にまでたどり着くのがあまりに早過ぎないか?そして、小堀がアンスマーリンの体を求めるシーンはかなり長かったはずなのに、これもなんだか短くないか?そしてそして、ラストのアンスマーリンがバンコク・ノーイ駅で小堀を探しに行き、軍医と出会った次のカットでもう小堀の元にワープしている。そう、「メナムの残照」で有名な、アンスマーリンが駅で小堀を探し回るシーンがないのだ。それから、最後の最後、「メナムの残照」一番の名物である長~い長~い長~い小堀とアンスマーリンの別れのシーンが、普通の長さで終わっている。上映終了後に腕時計を見ると、上映開始から二時間経っていないではないか。これはどういうことだ?
 ということで資料で確認してみると、東京映画祭のホームページには上映時間が101分となっている。タイで販売されたDVDを確認すると121分(パッケージには140分となっているが、これは特典映像を入れての時間か?)。タイでのロードショー当時のいい資料が見つからないのだが、ある資料では130分となっている。
 正確にはタイ上映時の版と比べて何分短くなっているか定かではないが、20~30分短くなっているようだ。バンコク・ノーイ駅でアンスマーリンが小堀を探すシーンと二人の別れのシーンは、とても長いことで有名だ。知る限り、過去の映画であろうがTVドラマであろうが、全ての作品がかなり長い時間を使って描いている。中には、このシーンだけで30分を超えるTVドラマもあるくらいだ。これがない「メナムの残照」は、ワサビの効いていない寿司のようなもの?じゃないのかな?
 小堀が「もし、私が死ねば、あなたは幸せでしょ」といったのに対し、アンスマーリンが泣きながら「そうよ。私たちはそれを待っているの」と答える結構ショッキングなシーンもない。


Trailer(英語字幕)



Trailer



เบื้องหลังภาพยนตร์ คู่กรรม [Behind the Scene 1]



เบื้องหลังภาพยนตร์ คู่กรรม [Behind the Scene 2]



เบื้องหลังภาพยนตร์ คู่กรรม [Behind the Scene 3]



คู่กรรม รับรางวัลแรกของปี ณเดชน์ นักแสดงนำชายยอดเยี่ยม



O.S.T. 「ヒデコ(Hideko/ฮิเดโกะ)」
Sung by Yusuke Namikawa



「ヒデコ」(Cover)
by m39



MV「アンスマーリン(อังศุมาลิน)」
Sung by ナデート・クーキミヤ(釘宮)



MV 「ポム・チャ・ロー(ผมจะรอ)」
※タイトルは、「私はあなたを待つ」という意味です。



Official Audio 「ポム・チャ・ロー(ผมจะรอ)」



【 タイ映画 & ミュージック DVD, CD販売サイト 】
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