タイ映画(U)
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見えざる者(アンシーアブル)
(アンシーアブル/ペーン・チュー・カップ・ピー)
< The Unseeable >


クラッシック・スタイルの純粋ホラー、誰が霊でそして私は誰?
[製作国] タイ [原題] เป็นชู้กับผี(เปนชู้กับผี)
[製作年] 2006年
(11月2日公開)
[日本公開年] 2014年(上映会にて)
[監督] ウィシット・サーサナティアン<Wisit Sasanatieng/วิศิษฏ์ ศาสนเที่ยง> [出演者] シラパン・ワタナチンダー(ヌン)<Siraphan Wattanajinda/ศิรพันธ์ วัฒนจินดา>、スポーンティップ・チュアンラック(ティップ)<Suporntip Chuang-rangsi/สุพรทิพย์ ช่วงรังษี>、タッサワン・セーニーウォン(ヨー)<Tassawan Seneewongse/ทัศน์วรรณ เสนีย์วงศ์((โย))>
[ 参考ページ ]   シラパン・ワタナチンダー(ヌン)
[評価] ★★★★★
Pen choo kab pee (2006) on IMDb
※タイでDVD(英語字幕なし)が発売
 ホラー作品。時は1930年代。身重の女性ヌアンチャン(シラパン・ワタナチンダー)は、仕事へ行くといって自分の元を去って行ったまま帰って来ない夫を捜し歩いていた。そして、ある屋敷へとやって来たが、夫はいなかった。そこには、謎の夫人ランチュアン(スポーンティップ・チュアンラック)が下働きらと共に住んでいた。ヌアンチャンはその屋敷に受け入れられるが、不気味な出来事が次々に・・・というストーリー。
 ファイブ・スター・プロダクション作品。コメディー的要素が入っていない、純粋なクラッシック風のホラー。ストーリー構成はなかなかおもしろい。そして、この作品の魅力は何よりも映像のノスタルジックさだ。ちょっとセピア色かかった映像は、ホラーの雰囲気も兼ね備えている。物語の舞台となった大きな古い屋敷(セットかロケかは不明)も、雰囲気があっていい。主演のシラパン・ワタナチンダーやスポーンティップ・チュアンラック、タッサワン・セーニーウォンらの登場人物も、当時の古風なスタイルが似合っている。
 作品は冒頭からラストまで、一貫してホラー・ムードを押し通している。この作品は、ホラー以外の何物でもないと主張しているかのようだ。通常のホラーは、何でもない普通の部分と怖さを感じさせるホラー部分を混ぜて物語を展開させる。しかし、ここまで切れ目なくホラー性を出す作品は珍しい。ただ、この作品も、霊の姿自体は怖くない。ごく一部を除いて普通の人間の姿なので。だが、映像のムードだけで怖さを演出しているからすごい。
 主人公の背後から撮影するというカメラ・アングルが多いが、これも怖さを出している一因だ。あとは、人間の背後を霊がさっとよぎるとか、後方の建物の中に霊の姿が見えるとかいつものパターンになっている。ちなみに、作中に「ピー・ポープ」という名前は出てこないが、ピー・ポープという霊(お化け)を扱った作品でもある。
 観客によっては、女主人の素性が説明された時、もしやと気付くかもしれない。しかし、そんなことは、この作品にとって小さなサプライズだ。ストーリーは、ラスト近くまでそれほど大きくは動かない。しかし、最後には三重四重の急展開が観客に押し寄せる。観ている方は圧倒されてしまい、あれよあれよという間にラストへ。作品の冒頭でヌアンチャンが屋敷まで乗ってきたさサムローの車夫に「少しここで待っていてください」と告げ屋敷内へと入って行く。そして、二度と出てくることはなかったので、あの車夫はどうなってしまったのか気にはなっていたが、それが話のラストへとつながっているのが見事だ。あの車夫を待たせたことには、意味があったのだ。
 主演のシラパン・ワタナチンダーがとてもいい。美人ではない?のだが、エキセントリックな顔付きでかわいらしい。そして、作品の雰囲気である懐古的なムードにぴったりだ。古臭いヘア・スタイルも似合っている。彼女は、「シークレット・サンデー(Secret Sunday)」<2010年>で金髪のショート・ヘアーというショッキングの姿で出ていた人である。日本の映画祭で上映された「ディアー・ダーカンダー(親友/ディアー・ダカンダ/Dear Dakanda)」<2005年>の主演女優だ。ランチュアン役の女優スポーンティップ・チュアンラックは、映画出演は本作一本のみ(2014年9月現在)。女中頭のような役を演じていたタッサワン・セーニーウォンは、数多くの出演作がある。映画に限って言うと、本作が10年振りの出演作となった。
 興行収入はUS$527,537なので、可もなく不可もなくといったところ。タイのエンターテイメント・サイトSiam Zoneのユーザー評価では、8.52点(満点は10点。投票数33。2014年6月現在)となっている。
 ウィシット・サーサナティアン監督は、日本で公開された「カメリア(Camellia)」<2010年/韓国、日本、タイ>の中の「アイアン・プッシー(Iron Pussy)」、「シチズン・ドッグ(Citizen Dog)」<2004年>、「怪盗ブラック・タイガー(Tears of The Black Tiger)」<2000年>、日本でDVD化された「レッド・イーグル(Red Eagle)」<2010年>や「サワッディー・バンコク(Sawasdee Bangkok)」<2009年>の中の「サイトシーイング(Sightseeing)」などを手がけている。「見えざる者」という邦題は、2014年のアテネ・フランセ文化センターによる四方田犬彦氏による連続講義「怪奇映画天国アジア」第5回「タイ人が本当に怖いと思うのは、どのような映画か」で上映時に付けられたもの。原題は「霊と不倫する」という意味か?

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ポスター

【 The Unseeable 】
DVD (タイ版)
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เบื้องหลัง : เปนชู้กับผี The Unseeable [ Behind the Scenes ]



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